2017年1月18日更新

潔癖症を治すには?潔癖症の特徴と原因そして克服法

潔癖症を治すには

度が過ぎるきれい好き、筋金入りの几帳面さなど、汚いものと自分が判断するものにはとことん触れられない、掃除をしていない部屋では寝ることもできない、なんでも完璧でなければ気がすまない潔癖症の人。生活しづらい原因のひとつです。潔癖症を治してもっと気楽に生きてみましょう。潔癖症の人の特徴と心理を探り原因を突き止めて、潔癖症を克服しましょう。

  1. 目次
  2. 潔癖症の人の特徴
  3. 潔癖症の人の心理
  4. 潔癖症の原因
  5. 潔癖症の克服法
  6. 潔癖症を治そう

潔癖症の人の特徴

潔癖症

人が触れた物は触れない

たとえば電車のつり革、公衆のトイレ、よその家や旅館のスリッパ、ドアのノブ、飲食店のお箸(割りばし以外のもの)、仲間で食べる鍋料理、回し飲みなど、人が触れた物に、触れることができない特徴があります。これは自分の認識の中で汚いものと感じ取ってしまい、触れる事への恐怖心から生まれるものです。電車に乗って両足を踏ん張って腕組みして体勢を整えるが揺れても決してつり革にはつかまらない。公衆トイレは除菌ティッシュで便座を十分に拭いてから使う。スリッパやお箸は常にマイスリッパやお箸を持参。忘年会のお鍋料理は手を付けないし、人が口をつけたグラスで飲み物を飲むことなんて考えの範疇にないのが潔癖症の人の特徴のひとつです。

臭いに敏感である

潔癖症の人は臭いにとても敏感です。周囲の臭いにも過敏に反応することはもちろんですが、自分の臭いもとても気にします。髪の毛の臭いが気になる。汗をかくと汗でぬれたシャツから感じる臭いが気になる。口臭を気にする。こんな性格から一日何度もシャワーを浴びたり、シャンプーを朝晩しなければ気がすまない人もいます。下着も必要以上に着替え体臭に気を使います。歯磨きも歯の健康だけでなく、他人からは気にならない自分の口臭を気にして必要以上に歯磨きし、口臭予防のキャンディーやガムを常に持ち歩いている特徴があります。自分以外の臭いでは、排水溝の臭い、部屋の臭い、換気扇やエアコン、靴箱の臭いを気にしていつも掃除している癖があります。部屋がきれいでないと心配で落ち着かない特徴がみられます。部屋がきれいであることはいいことですが、度おこすとほんの少しのホコリも気になり気が休まりません。

几帳面である

潔癖症の人の特徴は几帳面であることもあげられます。たとえば仕事に関しては、納期は事前に準備できていなければ気がすまない。当日ぎりぎりまで準備が整わないことは不安感にかられて仕方ありません。会計の仕事では絶対計算は間違えない。書類の書き方に見落としがないなど、仕事で几帳面な点は利点となる事もありますが、あまりに几帳面すぎる事で、神経が疲れてしまうことがあります。

潔癖症の人の心理

不安である

潔癖症の人はいつも不安な心理にかられています。大丈夫という安心感がないので、「この手すりから細菌がうつるのではないか」「人の履いたスリッパは不潔だ」「どんな人が使ったかわからないトイレを使うことはできない」といつも不安な気持ちでいっぱいなのです。だから自分が安心できる物以外触れることができません。物に触れられないという面では強迫性障害のひとつで不潔恐怖症という心の病があります。自分のまわりの物に「汚い」という心理が働いてしまい、物に触れられない、手を洗う回数が多くなってしまいます。不安な心理が強くなりすぎると不潔恐怖症という病になってしまうこともあります。

執着心が強すぎてしまう

こうしなければいけない、こうでなければいけない、これをしておかなければいけないという「こうでなければ…」というひとつの事へ執着心が強く働いている心理が潔癖症の人にみられます。たとえば仕事で帳簿のつけ方は毎回とてもきっちりしているけれど、やり方に執着して、自分のやり方を貫いてしまう面が潔癖症の人に見られます。そのため他の人のやり方を受け入れられない、他の人が記入した数字の書き方も気に入らず自分と同じ文字体での記入を求めるなど、ひとつのやり方(事)に執着してしまう心理が働いてしまうのが潔癖症の人の心理のひとつです。

自分以外、信じられない

潔癖症の人は自分以外信じられないという心理状態です。まわりの環境が信じられなく、恐怖を感じています。たとえば飲食店で自分以外の人が洗ったお箸がきれいであると信じられないため、マイお箸を持参しなければ食事ができないこともその理由からです。自分以外は信じられないので、他のものに触れる事を恐怖に思い、余計な心配を心に抱いてしまいます。

潔癖症の原因

幼児期のまわりの大人のしつけ方

幼児期、母親もしくは世話をしてくれた大人が神経質で、汚れを気にしてすぐに洋服を着替えさせる、何度も手を洗わせるような環境に育った事が原因となって潔癖症になる事があります。幼児期に世話をしてくれた大人が潔癖症だとそれが原因となる事もあります。たとえば幼児期はスプーンやフォークが上手に使えず手でもの食べてしまったり、食べ物をこぼしてしまう事などは日常茶飯事です。しかしこの時そばにいた大人が、手で物を食べる事をとても汚い事であると教えたり、手を必要上に洗わせたりすると、子供は汚れる事はいけない事とイメージしてしまい潔癖症の人間に成長してしまいます。育ててくれた大人のしつけ方や潔癖症であると、その事が原因で潔癖症になってしまうことがあります。

経験がトラウマになる

たとえば衛生面の悪い国に旅行に行って食中毒になってしまったとか、やむを得ず汚いトイレを使用して嫌な思いをしたなど、不衛生な事や不潔でいやな経験した事がトラウマとなって潔癖症になる事があります。たとえば学校で咳をした友達の目の前にいて、自分の顔にかかった咳が気持ち悪かった、と同時に自分も次の日にインフルエンザにかかってしまったなんて子供の頃の経験がトラウマになり、マスクが手放せないという潔癖症の人のたとえもあります。

親の職業

自分の家庭の職業が、たとえば自宅でレストランを経営していて衛生面に気をつけなければならない職業の家庭に育つと、害虫を出さないためにきれい好きすぎるほど部屋の掃除を気にしたり、消毒を欠かさないことが当たり前となってそれが原因で潔癖症になってしまいます。法律に関わる仕事を自宅で親がしている事で、郵便物はこうしなければいけない、封筒の開け方はこうでなければいけないと家業に関わる決まり事に執着して育ってしまうと、親の職業が引き金となって潔癖症になってしまうことがあります。

潔癖症の克服法

客観的に物事をとらえる

たとえば電車のつり革を握っても病気になるわけではない。病気になるならこれを触った人はみんな病気になっているし、つり革をつかんで死亡者がでたニュースを耳にしたことはないとか、旅館のスリッパを履いて病人がでた話を聞いたことがない、そうすることで自分は汚れないと客観的に物事を捉えてみましょう。潔癖症は精神疾患のひとつに捉えられている面もあります。心の病に関わる専門科では、主観的に物事を考えず客観的に物事を捉えていくことを「認知行動療法」いい、精神疾患を治療するひとつの方法として治療に取り入れていますが、潔癖すぎると自分で感じるのならば、自分でこの方法を利用し物事を客観視できるように気をつけてみましょう。

自分の考える事以外の環境に慣れる

部屋が汚れていても生きていけます。公衆トイレはみんなが利用するので多少の汚れはつきものです。汚れてしまう事に慣れる事は潔癖症を克服する方法です。よほどの人でない限り、歯磨きするし顔も洗いお風呂にだって入ります。自分のまわりを自分同じだと信じましょう。その他、たとえば自分がきちんとまとめてきた台帳。自分以外の人が書けば文字も変わりますが、読めればいいわけです。なにも日本語をいきなり中国語で表すわけではないのですから。小さい事にとらわれず、人の書く字に慣れてみる。自分の考えている事以外の環境に慣れることは潔癖症を克服する方法のひとつです。

気になる場合は専門医を受診する

潔癖症が重症化してしまうと精神疾患を患っている時があります。たとえば自分でもつまらない事だと思っていながらも執着してやり続けてしまう、大丈夫だとわかっていても繰り返し行動してしまうような時は強迫性障害に陥っている場合があります。病を発症していることも考えられるので、潔癖症が特に気になる場合は、心療内科などの専門医を受診してみることも克服法のひとつになります。

潔癖症を治そう

潔癖症の人はそれが自分にとっては当たり前なので、潔癖症だと自覚していない人が多いです。しかし、いつも不安で不潔感から抜けられないことは、とても生活しにくいことです。部屋をきれいにすることや、帰宅して手を洗うことはいけないことではありません。でも度が過ぎる事は潔癖症のあらわれです。自分以外のまわりを信じて、大丈夫!と心のゆとりを持ちましょう。症状がひどいと感じた時は心療内科などの専門医に相談することも大切です。潔癖症を克服して治しましょう。そうすることでとても生きやすくなりますよ。